“ASAMAカラー”のエル特急〈あずさ7号〉松本行き
平成9年(1997年)12月6日(土曜日)、正午にJR東日本中央本線新宿を発車したエル特急〈あずさ7号〉松本行きは、中野を通過したが、この塗装にお気づきだろうか?
おわかりの方も多いと思うが、エル特急〈あさま〉で使われていた189系“ASAMAカラー”で運行しているのだ。通常は183系1000番代が使われているが、やむを得ない事情で189系“ASAMAカラー”を充当していた。
これは同年10月12日(日曜日)20時過ぎ、エル特急〈スーパーあずさ13号〉松本行きが大月を通過後、構内の側線から201系の回送電車が出てきてしまい、衝突する事故が発生した。双方とも、一部車両が脱線し、乗客61人、回送電車の運転士1人が重軽傷を負った。
この影響で、中央本線は四方津(Shiotsu)―甲斐大和間が、10月14日(火曜日・鉄道の日)7時20分頃まで不通になった。また、201系は奇跡的に復帰したが、エル特急〈スーパーあずさ〉に使われるE351系は、一部車両が廃車になり、車両数が不足する事態に陥った。このため、一部のエル特急〈スーパーあずさ〉は、「エル特急〈あずさ〉」に変更し、振子機能を備えていない国鉄特急車での運転を余儀なくされたのである。
この日は思ったほどレールファンの数は少なかったが、“ASAMAカラー”のエル特急〈あずさ〉は、通常の“azusaカラー”よりも似合っているような気がした。個人的にはデラックス車が登場した当初のカラーが好みだが、残念ながら1回も撮ることができなかった。
★備考
①参考資料として、鉄道ジャーナル社刊行、『年鑑日本の鉄道98』を使用。
②JR東日本は2002年12月1日(日曜日)より、「エル特急」の呼称をやめ、「特急」に統一しました。
★おまけ
この記事へのコメント
エル特急〈あさま〉で碓氷峠を通ったのは、1往復分だけですが、下りは観光客が多かったですね。乗ったのが平成9年(1997年)5月ですから、どうしても乗りたくて、日帰りで行きました。当時は善光寺の御開帳があり、にぎわっていました。
なお、「エル特急」の呼称は、その後、JR九州でも「特急」に統一しました。考えてみれば、JR九州とJR東日本は、定期の急行が走っていない共通点があります。