2009年の汽車旅3-2
JR西日本 山陽本線 115系シリーズ 山陽新幹線 N700系シリーズ のぞみ 500系シリーズ 700系シリーズ 宇野線 本四備讃線 JR四国 予讃線 マリンライナー 5000系 223系シリーズ 阪急電鉄 6300系 9300系 京阪電気鉄道 2代目 3000系 京浜急行電鉄 2100形 8000系 南風 うずしお 113系シリーズ 103系シリーズ 213系 JR東日本 211系シリーズ E217系 E231系シリーズ E233系シリーズ 225系 117系シリーズ 高徳線 1500形 東海道本線 東北本線 富田靖子 阿佐海岸鉄道 土佐くろしお鉄道
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・2009年の汽車旅3-1
http://railway583.blog.so-net.ne.jp/2009-12-01
◆借り物好きな(?)岡山支社
相生で普通電車備中高梁行き(クモハ115-1546:体質改善車、岡山止まり)に乗り換える。3両編成か4両編成のどちらかで坐れないだろうと思っていたら、なんと7両編成だった。4両車のクハは体質改善車カラーであるものの、車内はオリジナル。モハは元117系で、体質改善車である。
一方、3両車はすべて体質改善車で、私はこちらを選び、9時33分に発車。さいわい、転換クロスシートに坐ることができた。
電車をたたきつける雨は、少しマシな状態となる。この当時、中国地方はまだ梅雨明けしていない。数分後、また雨が激しくなってしまう。秋は豊作になったのだろうか?
乗車している体質改善車は、ドームっぽい天井で、綺麗な湾曲にうっとり。現代の車両は、美しい湾曲を描いた天井は見かけないような気がする。冷房が当たり前になったからであろうか。
上道を発車すると、山陽新幹線N700系の〈のぞみ7号〉博多行きに抜かれる。山陽新幹線に合流すると、岡山が近いことを実感する。新幹線が在来線に寄り添う光景は、“「安心」という名の心理”が働きそうだ。それにしても、N700系の増備により、500系や700系7000番代が目立たなくなってしまったような気がする。
雨はやみ、10時37分、岡山2番のりばに到着。ここでうしろ3両が切り離され、乗車率は大幅に落ちた。向かいの1番のりばには、湘南色の普通電車糸崎行きが発車を待っており、半分は乗り換えてゆく。湘南色の車両は車体側面に「京キト」と書かれた京都総合車両所の113系5000番代だった。抑速ブレーキを装備していないため、運行区間は限られてしまう。
8番のりばへまわり、宇野線の快速〈マリンライナー23号〉高松行き(1号車指定席5106)に乗り換えるが、行き違い列車の遅れにより、所定の発車時刻を2分過ぎた10時55分に入線した。
2階建ての1号車は降車が完了すると、車内の整備、点検に入る。座席は自動で向きが変わるというハヤワザ。座席の自動転換は阪急電鉄6300系、9300系や京阪電気鉄道8000系、2代目3000系、京浜急行電鉄2100形で見られるもので、JRの車両では珍しい。ちなみに快速〈マリンライナー〉の自由席は、手動転換である。
向かいの7番のりばでは、エル特急〈南風7号・うずしお9号〉高知・徳島行きが11時05分の発車を待っており、快速〈マリンライナー23号〉高松行きは、11時04分までに発車しなければならない。ちなみにエル特急〈南風7号〉高知行きは、大人気のアンパンマン列車である。これは子供だけではなく、大人でも楽しい。アンパンマンは正義の味方であるとともに、JR四国のイメージキャラクターでもある。 余談だが、JR四国は発足当初、女優の富田靖子をイメージキャラクターに起用し、「どっきん四国」というキャッチコピーを掲げていた。あの頃が懐かしいなぁー。
快速〈マリンライナー23号〉高松行きは、定刻より6分遅れの10時59分に発車。備前西市で快速〈マリンライナー22号〉岡山ゆきと行き違い、発車すると、途中から複線になるものの、妹尾で再び単線へ。備中箕島を通過すると、再び複線になる。しかし、久々原を通過し、茶屋町に近づくと、またまた単線に戻る。宇野線岡山-茶屋町間の完全複線化は難しいようだ。
先述したように、1号車は2階建て車両となっており、グリーン車と指定席を1両にまとめている。グリーン車は快速〈マリンライナー〉の先代車両、213系の展望性を継承。2~9番線席を2階にして、眺望のよさを維持。1番席は展望席で、運転台のうしろは座席を一段高くしている。これは運転士より高い位置にすることで、前面展望をしやすいようにしているのだろう。
グリーン車はリクライニングシートで、足のせはないものの、カーペットを敷いて、高級感を醸し出している。2階席の螺旋階段付近に荷物置場を設けており、2階建て車両の難点である荷棚が設置しづらい点をカバーしている。ちなみにJR東日本の211系、E217系、E231系とE233系の近郊形タイプの2階建てグリーン車は、定員重視のため、1・2階席に荷物置場が設置されていない。大荷物を抱えてグリーン車を利用する場合は、荷棚のある平屋席に坐ればいいのだが、早い者勝ちのため、始発駅の電車入線前に並ばないと厳しいかも。
指定席は10~18番席が1階にあり、19番席は平屋で、車椅子スペースとそれ対応の大型トイレ、男子用小便所が設けられているが、洗面所はない。また、トイレと指定席の仕切りがないため、快適性は劣るようだ。もっとも、この車両はデッキと客室の仕切り扉がない。そのためなのか、半自動ドアボタンを設けて、車内保温に努めている。ちなみに快速〈マリンライナー〉は、特急に追い越されることはない。
指定席もリクライニングシートだが、グリーン車に比べ、深々と倒れることはなく、座席背面にテーブルもない。その代わり、JR東日本の特急形電車で使われている座面をスライドすることができる“ファミコンシート”を採用。もしかすると、JR東日本以外で、ファミコンシートを採用している唯一の車両なのかもしれない。また、こちらにも荷物置場を設けている。いずれも2003年に入団して、6年経過しているせいか、荷物置場のカーペットは傷んでいる。それだけ利用客に“愛されている”という証である。
余談だが、213系時代、グリーン車は座席の向きを通路側、窓側に固定できるスグレモノで、運行開始当初は窓側にセットして、瀬戸大橋の眺望をウリにしていた。また、紙タオルのセルフサービスがあった。
この日、グリーン車はガラガラだが、指定席は半分乗っている。213系時代の指定席は、2号車サハ213形だったので、自由席に坐ったほうがはるかにおトクだったが、5000系にチェンジしたことで、指定席は格段にグレードアップした。これならば、喜んで510円(指定席料金。ただし、閑散期は300円)が出せる。
さて、5000系で面白いのは、5100形(2階建て車両)は東急車輛製造なのに対し、5200形と5000形は川崎重工業製であること。これは軽量ステンレス車体の光沢が異なるので、一目瞭然。また、5100形は41.3t、5000形とクモハ223形5000番代は41.1tで、重量に差がない。2階建て車両は重くなってしまう宿命はあるけれど、制御電動車でも鋼製車なみの重量になっているとは……
なお、5200形は27.0t、クハ222形5000番代は39.0tである。
余談だが、2007年7月1日(日曜日)、岡山電車区は網干総合車両所から、223系2000番代の一部編成を借りて、サハ223形2000番代を223系5000番代に挿入。日中は6両編成、ラッシュ時は9両編成に戻った。詳細はのちほど述べるとするが、岡山で見た湘南色の113系、快速〈マリンライナー〉のサハ223形2000番代は、アーバンネットワークの車両基地から借りており、車両のやりくりが苦しいことを物語る。
かつてはスカイブルーの103系を借用し、山陽本線を駆け抜けていたが、2010年5月の予定で、アーバンネットワークに225系が投入されると、はじき出された車両が発生した場合、岡山電車区へ移るのかもしれない。
◆5年ぶりの四国
※次は児島
定刻より5分遅れて、11時15分に茶屋町を発車。宇野線を分岐し、本四備讃線へ入るが、配線を見ると、「宇野線のほうが分岐させられている」と言ったほうがよい。宇野線は宇野で高松方面へのフェリーに乗り換えられるので、四国との縁は切れていないが、宇野駅の改良でかつての面影はない。
※次は坂出(Y08)
130㎞/hの回復運転をしたのかどうかはわからないが、遅れを1分縮めて児島へ。ここからJR四国に入り、定刻より4分遅れの11時24分に発車。意外と低速で11時26分に瀬戸大橋へ。瀬戸内海は指定席でも楽しめるが、やはり眺望はグリーン車がよさそうだ。前面展望が楽しめる1番席はすれ違う列車を楽しみにしていることだろう。
11時35分に瀬戸大橋を渡り終え、四国へ上陸すると、予讃線に入る。すると、スピードがあがり、車掌が登場。タイミングのいい車内検札となる。
「御利用ありがとうございます。遅くなりましたぁー」
JR四国の車掌が乗客に声をかける。指定席に坐っているのに、車内検札が遅く、気になっていたが、ダイヤが乱れていたため、JR西日本の車掌はJR四国の車掌に任せたのだろう。
11時39分、定刻より4分遅れで坂出(Y08)に到着。2004年7月25日(日曜日)以来、5年ぶりの四国だが、JR四国、阿佐海岸鉄道、土佐くろしお鉄道は駅ナンバリングを導入していた。但し、車内の情報案内装置には表示しておらず、不親切だ。ちなみに四国は、2000年から5年連続で上陸していたが、そのあと、なぜか5年も足を踏み入れていなかった。四国の鉄道全体は2路線以外、すべて乗っているので、ガムシャラな気分にならなくなってしまったのだろうか?
定刻より5分遅れの11時40分に発車。かなり速い。もしかすると、130㎞/hで飛ばしているのかもしれない。胸のすく走りで、213系時代に比べ、所要時間は若干短縮されている。
「終点高松では、車内保温のため、ドアは自動では開きません。恐れ入りますが、『開(Kai)』のボタンを押して、お降りください」
終点高松が近づき、車掌が案内する。JR四国は意外にも半自動ドアの車両が存在しており、夏や冬は半自動ドアを作動させる。また、JR西日本の車掌は「『開く』のボタンを押して…」と案内するが、JR四国車掌の「カイ」という表現には驚いた。確かに半自動ドアボタンは「開」「閉」と表示しているのだから、「カイ」というのは納得がいく。
4分遅れのまま、11時54分、終点高松(Y00)6番のりばに到着。高徳線(T28)の各駅停車引田行きワンマン列車(For Hiketa.1512)に乗り換える。ちなみに快速〈マリンライナー23号〉の車掌は「普通列車」、女性駅員は「各駅停車」と案内しており、車内の自動放送は後者だった。そろそろ普通列車や普通電車をやめて、各駅停車に統一したほうがいいと思う。しかし、地域によっては、乗降客の少ない駅を通過すること、JR東日本東海道本線や東北本線の複々線区間は、各駅停車と普通電車が走っているため、「各駅停車」に名称統一できないのが実情である。
各駅停車引田行きワンマン列車は、11時58分に発車。予讃線と別れ、左へ曲がる。高架を登り、栗林公園北口(Ritsurin Park North.T26)で早くも下車客が発生し、栗林(T25)で転換クロスシートへ坐る。曇天ではあるものの、雨の心配はなさそうだ。
栗林で7分停車し、エル特急〈うずしお9号〉徳島行きに抜かれる。速いっ!!
乗車している1500形は、転換クロスシートを装備している。単行気動車で転換クロスシートは優雅な気分だ。また、車内の化粧板の大半は、木目調を採用し、暖かみを演出している。徳島寄りにくずもの入れ、高松寄りに車椅子対応の大型トイレがある。JR四国は各駅停車で使用する車両は、トイレを省略することを基本としているが、苦情が多いのか、考え方を変えたようである。
高架を下り、木太町(Kitacho.T24)を過ぎ、屋島(T23)に到着。ここでエル特急〈うずしお12号〉高松行きと行き違うが、たった2両編成。エル特急〈うずしお〉は、昭和63年(1988年)4月10日(日曜日)の再登場時から2両編成が基本となっており、今さら驚くことではない。
12時27分、古高松南(T22)に到着。ここで降りて、ホームに立つと、雨はポツリと降ってしまった。
★備考
①eyevio「2009年の汽車旅3」
②参考資料として、鉄道ジャーナル社刊行、『鉄道ジャーナル』1998年6月号、2003年10月号、2008年5月号を使用。
③岸田法眼のRailway Blog.「各駅停車と普通列車」
※来訪御礼のみや記事に関係のないコメントをされる方は、こちらにクリックしてください(Railway Blogは記事のコメント以外、受け付けておりません)。また、Railway Blogのコメント、トラックバック承認制になっておりますので、御了承願います。
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・2009年の汽車旅3-1
http://railway583.blog.so-net.ne.jp/2009-12-01
◆借り物好きな(?)岡山支社
相生で普通電車備中高梁行き(クモハ115-1546:体質改善車、岡山止まり)に乗り換える。3両編成か4両編成のどちらかで坐れないだろうと思っていたら、なんと7両編成だった。4両車のクハは体質改善車カラーであるものの、車内はオリジナル。モハは元117系で、体質改善車である。
一方、3両車はすべて体質改善車で、私はこちらを選び、9時33分に発車。さいわい、転換クロスシートに坐ることができた。
普通電車備中高梁行き編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
岡山 | なし | ク ハ115- | 306 | ○ | 弱冷車 |
なし | モ ハ114- | 3507 | ○ | 体質改善車 | |
なし | モ ハ115- | 3507 | ○ | 体質改善車 | |
なし | ク ハ115- | 305 | ○ | なし | |
なし | ク ハ115- | 1403 | ○ | 岡山止まり、弱冷車、体質改善車 | |
なし | モ ハ114- | 1201 | ○ | 体質改善車 | |
相生 | なし | クモハ115- | 1546 | ○ | 体質改善車 |
電車をたたきつける雨は、少しマシな状態となる。この当時、中国地方はまだ梅雨明けしていない。数分後、また雨が激しくなってしまう。秋は豊作になったのだろうか?
乗車している体質改善車は、ドームっぽい天井で、綺麗な湾曲にうっとり。現代の車両は、美しい湾曲を描いた天井は見かけないような気がする。冷房が当たり前になったからであろうか。
上道を発車すると、山陽新幹線N700系の〈のぞみ7号〉博多行きに抜かれる。山陽新幹線に合流すると、岡山が近いことを実感する。新幹線が在来線に寄り添う光景は、“「安心」という名の心理”が働きそうだ。それにしても、N700系の増備により、500系や700系7000番代が目立たなくなってしまったような気がする。
雨はやみ、10時37分、岡山2番のりばに到着。ここでうしろ3両が切り離され、乗車率は大幅に落ちた。向かいの1番のりばには、湘南色の普通電車糸崎行きが発車を待っており、半分は乗り換えてゆく。湘南色の車両は車体側面に「京キト」と書かれた京都総合車両所の113系5000番代だった。抑速ブレーキを装備していないため、運行区間は限られてしまう。
8番のりばへまわり、宇野線の快速〈マリンライナー23号〉高松行き(1号車指定席5106)に乗り換えるが、行き違い列車の遅れにより、所定の発車時刻を2分過ぎた10時55分に入線した。
2階建ての1号車は降車が完了すると、車内の整備、点検に入る。座席は自動で向きが変わるというハヤワザ。座席の自動転換は阪急電鉄6300系、9300系や京阪電気鉄道8000系、2代目3000系、京浜急行電鉄2100形で見られるもので、JRの車両では珍しい。ちなみに快速〈マリンライナー〉の自由席は、手動転換である。
向かいの7番のりばでは、エル特急〈南風7号・うずしお9号〉高知・徳島行きが11時05分の発車を待っており、快速〈マリンライナー23号〉高松行きは、11時04分までに発車しなければならない。ちなみにエル特急〈南風7号〉高知行きは、大人気のアンパンマン列車である。これは子供だけではなく、大人でも楽しい。アンパンマンは正義の味方であるとともに、JR四国のイメージキャラクターでもある。 余談だが、JR四国は発足当初、女優の富田靖子をイメージキャラクターに起用し、「どっきん四国」というキャッチコピーを掲げていた。あの頃が懐かしいなぁー。
快速〈マリンライナー23号〉高松行きは、定刻より6分遅れの10時59分に発車。備前西市で快速〈マリンライナー22号〉岡山ゆきと行き違い、発車すると、途中から複線になるものの、妹尾で再び単線へ。備中箕島を通過すると、再び複線になる。しかし、久々原を通過し、茶屋町に近づくと、またまた単線に戻る。宇野線岡山-茶屋町間の完全複線化は難しいようだ。
先述したように、1号車は2階建て車両となっており、グリーン車と指定席を1両にまとめている。グリーン車は快速〈マリンライナー〉の先代車両、213系の展望性を継承。2~9番線席を2階にして、眺望のよさを維持。1番席は展望席で、運転台のうしろは座席を一段高くしている。これは運転士より高い位置にすることで、前面展望をしやすいようにしているのだろう。
グリーン車はリクライニングシートで、足のせはないものの、カーペットを敷いて、高級感を醸し出している。2階席の螺旋階段付近に荷物置場を設けており、2階建て車両の難点である荷棚が設置しづらい点をカバーしている。ちなみにJR東日本の211系、E217系、E231系とE233系の近郊形タイプの2階建てグリーン車は、定員重視のため、1・2階席に荷物置場が設置されていない。大荷物を抱えてグリーン車を利用する場合は、荷棚のある平屋席に坐ればいいのだが、早い者勝ちのため、始発駅の電車入線前に並ばないと厳しいかも。
指定席は10~18番席が1階にあり、19番席は平屋で、車椅子スペースとそれ対応の大型トイレ、男子用小便所が設けられているが、洗面所はない。また、トイレと指定席の仕切りがないため、快適性は劣るようだ。もっとも、この車両はデッキと客室の仕切り扉がない。そのためなのか、半自動ドアボタンを設けて、車内保温に努めている。ちなみに快速〈マリンライナー〉は、特急に追い越されることはない。
指定席もリクライニングシートだが、グリーン車に比べ、深々と倒れることはなく、座席背面にテーブルもない。その代わり、JR東日本の特急形電車で使われている座面をスライドすることができる“ファミコンシート”を採用。もしかすると、JR東日本以外で、ファミコンシートを採用している唯一の車両なのかもしれない。また、こちらにも荷物置場を設けている。いずれも2003年に入団して、6年経過しているせいか、荷物置場のカーペットは傷んでいる。それだけ利用客に“愛されている”という証である。
余談だが、213系時代、グリーン車は座席の向きを通路側、窓側に固定できるスグレモノで、運行開始当初は窓側にセットして、瀬戸大橋の眺望をウリにしていた。また、紙タオルのセルフサービスがあった。
この日、グリーン車はガラガラだが、指定席は半分乗っている。213系時代の指定席は、2号車サハ213形だったので、自由席に坐ったほうがはるかにおトクだったが、5000系にチェンジしたことで、指定席は格段にグレードアップした。これならば、喜んで510円(指定席料金。ただし、閑散期は300円)が出せる。
快速〈マリンライナー23号〉高松行き編成表 | |||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 | |
高松 | 1 | 5106 | ○ | グリーン車、指定席 | |
2 | 5206 | ○ | 自由席 | ||
3 | 5006 | ○ | 自由席、弱冷車 | ||
4 | ク ハ222- | 5003 | ○ | 自由席 | |
5 | サ ハ223- | 2188 | ○ | 自由席 | |
岡山 | 6 | クモハ223- | 5003 | ○ | 自由席 |
1号車の2階と高松寄り平屋はグリーン車、1階と岡山寄り平屋は指定席。 |
さて、5000系で面白いのは、5100形(2階建て車両)は東急車輛製造なのに対し、5200形と5000形は川崎重工業製であること。これは軽量ステンレス車体の光沢が異なるので、一目瞭然。また、5100形は41.3t、5000形とクモハ223形5000番代は41.1tで、重量に差がない。2階建て車両は重くなってしまう宿命はあるけれど、制御電動車でも鋼製車なみの重量になっているとは……
なお、5200形は27.0t、クハ222形5000番代は39.0tである。
余談だが、2007年7月1日(日曜日)、岡山電車区は網干総合車両所から、223系2000番代の一部編成を借りて、サハ223形2000番代を223系5000番代に挿入。日中は6両編成、ラッシュ時は9両編成に戻った。詳細はのちほど述べるとするが、岡山で見た湘南色の113系、快速〈マリンライナー〉のサハ223形2000番代は、アーバンネットワークの車両基地から借りており、車両のやりくりが苦しいことを物語る。
かつてはスカイブルーの103系を借用し、山陽本線を駆け抜けていたが、2010年5月の予定で、アーバンネットワークに225系が投入されると、はじき出された車両が発生した場合、岡山電車区へ移るのかもしれない。
◆5年ぶりの四国
※次は児島
定刻より5分遅れて、11時15分に茶屋町を発車。宇野線を分岐し、本四備讃線へ入るが、配線を見ると、「宇野線のほうが分岐させられている」と言ったほうがよい。宇野線は宇野で高松方面へのフェリーに乗り換えられるので、四国との縁は切れていないが、宇野駅の改良でかつての面影はない。
※次は坂出(Y08)
130㎞/hの回復運転をしたのかどうかはわからないが、遅れを1分縮めて児島へ。ここからJR四国に入り、定刻より4分遅れの11時24分に発車。意外と低速で11時26分に瀬戸大橋へ。瀬戸内海は指定席でも楽しめるが、やはり眺望はグリーン車がよさそうだ。前面展望が楽しめる1番席はすれ違う列車を楽しみにしていることだろう。
11時35分に瀬戸大橋を渡り終え、四国へ上陸すると、予讃線に入る。すると、スピードがあがり、車掌が登場。タイミングのいい車内検札となる。
「御利用ありがとうございます。遅くなりましたぁー」
JR四国の車掌が乗客に声をかける。指定席に坐っているのに、車内検札が遅く、気になっていたが、ダイヤが乱れていたため、JR西日本の車掌はJR四国の車掌に任せたのだろう。
11時39分、定刻より4分遅れで坂出(Y08)に到着。2004年7月25日(日曜日)以来、5年ぶりの四国だが、JR四国、阿佐海岸鉄道、土佐くろしお鉄道は駅ナンバリングを導入していた。但し、車内の情報案内装置には表示しておらず、不親切だ。ちなみに四国は、2000年から5年連続で上陸していたが、そのあと、なぜか5年も足を踏み入れていなかった。四国の鉄道全体は2路線以外、すべて乗っているので、ガムシャラな気分にならなくなってしまったのだろうか?
JR四国及び、四国第3セクター鉄道の駅ナンバリングとラインカラー表 | ||
鉄道事業者 | 路線及び区間 | 記号 |
JR四国 | 予讃線高松-松山間 | Y |
予讃線松山-向井原、伊予大洲-宇和島間と内子線 | U | |
予讃線向井原-伊予大洲間 | S | |
土讃線多度津-高知間 | D | |
土讃線高知-窪川間 | K | |
牟岐線 | M | |
徳島線 | B | |
鳴門線 | N | |
予土線 | G | |
高徳線 | T | |
本四備讃線 | なし | |
阿佐海岸鉄道 | 阿佐東線 | AK |
土佐くろしお 鉄道 | ごめん・なはり線 | GN |
中村線、宿毛線 | TK | |
★備考 | ||
予讃線津島ノ宮、牟岐線田井ノ浜は臨時駅のため、駅ナンバリングが振られていない。 |
定刻より5分遅れの11時40分に発車。かなり速い。もしかすると、130㎞/hで飛ばしているのかもしれない。胸のすく走りで、213系時代に比べ、所要時間は若干短縮されている。
「終点高松では、車内保温のため、ドアは自動では開きません。恐れ入りますが、『開(Kai)』のボタンを押して、お降りください」
終点高松が近づき、車掌が案内する。JR四国は意外にも半自動ドアの車両が存在しており、夏や冬は半自動ドアを作動させる。また、JR西日本の車掌は「『開く』のボタンを押して…」と案内するが、JR四国車掌の「カイ」という表現には驚いた。確かに半自動ドアボタンは「開」「閉」と表示しているのだから、「カイ」というのは納得がいく。
4分遅れのまま、11時54分、終点高松(Y00)6番のりばに到着。高徳線(T28)の各駅停車引田行きワンマン列車(For Hiketa.1512)に乗り換える。ちなみに快速〈マリンライナー23号〉の車掌は「普通列車」、女性駅員は「各駅停車」と案内しており、車内の自動放送は後者だった。そろそろ普通列車や普通電車をやめて、各駅停車に統一したほうがいいと思う。しかし、地域によっては、乗降客の少ない駅を通過すること、JR東日本東海道本線や東北本線の複々線区間は、各駅停車と普通電車が走っているため、「各駅停車」に名称統一できないのが実情である。
各駅停車引田行きワンマン列車編成表 | ||||
乗車区間 | 号車 | 車両番号 | 禁煙 | 備考 |
高松→古高松南 | なし | 1514 | ○ | なし |
各駅停車引田行きワンマン列車は、11時58分に発車。予讃線と別れ、左へ曲がる。高架を登り、栗林公園北口(Ritsurin Park North.T26)で早くも下車客が発生し、栗林(T25)で転換クロスシートへ坐る。曇天ではあるものの、雨の心配はなさそうだ。
栗林で7分停車し、エル特急〈うずしお9号〉徳島行きに抜かれる。速いっ!!
乗車している1500形は、転換クロスシートを装備している。単行気動車で転換クロスシートは優雅な気分だ。また、車内の化粧板の大半は、木目調を採用し、暖かみを演出している。徳島寄りにくずもの入れ、高松寄りに車椅子対応の大型トイレがある。JR四国は各駅停車で使用する車両は、トイレを省略することを基本としているが、苦情が多いのか、考え方を変えたようである。
高架を下り、木太町(Kitacho.T24)を過ぎ、屋島(T23)に到着。ここでエル特急〈うずしお12号〉高松行きと行き違うが、たった2両編成。エル特急〈うずしお〉は、昭和63年(1988年)4月10日(日曜日)の再登場時から2両編成が基本となっており、今さら驚くことではない。
12時27分、古高松南(T22)に到着。ここで降りて、ホームに立つと、雨はポツリと降ってしまった。
★備考
①eyevio「2009年の汽車旅3」
②参考資料として、鉄道ジャーナル社刊行、『鉄道ジャーナル』1998年6月号、2003年10月号、2008年5月号を使用。
③岸田法眼のRailway Blog.「各駅停車と普通列車」
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